新築施工例
筑紫野市 Y邸

自由度の高い建築力が実現
笑顔の集う伸びやかな住まい

 シンプルさが際立つ真っ白な外観に深い色合いの木製格子がアクセントとなった筑紫野市のY邸は、一級建築士でもあるご主人が設計された住まい。「我が家の設計はとても楽しかったのですが、これまででいちばん厳しいクライアントになりましたね」と奥様を見ながら笑うご主人。イワケンとはお仕事でも固い信頼関係を結ばれていたこともあって、大分と福岡という距離を越えての家づくりが実現しました。まず我が家を建てるにあたってご主人が思い描いたのは、生活空間の中心となるリビング・ダイニングを隣家の目線から外すこと。そこでご主人が考えられたのは、半階ずつ床をずらしながら縦空間を上手に有効活用したスキップフロアの住宅。こうすることによって2階建ての住まいでありながら1階から寝室、ダイニング、リビング、そして2階子ども室と4層の空間を持つ、リズミカルでそれぞれのフロアに変化をもたせた楽しい住まいが誕生しました。
 外観にあわせ、玄関まわりも白で統一されたY邸。数段の階段を上がりながら玄関アプローチを進むと、住まいの入り口となる玄関へ。Y邸へ招かれるとき、庭のある1階から半階ほど上がったダイニングのフロアからスタートします。「家族はもちろん、たくさんの人が賑やかに集まれる家にしたかったんです」とおっしゃるのはハンドメイドクラフト作家でもある奥様。時にはY邸をお客様が集うオープンルームとして開放し、イベントも開催されるのだとか。大きなダイニングテーブルの向こうには十字のスリットが入ったオシャレな透かし壁を設け、キッチンに立つ奥様の気配を感じながらもダイニングからの視線をゆるやかに遮る素敵な設計が目を引きます。またダイニングに面した全開放型のドアを開くと玄関アプローチを利用した広がりのあるオープンスペースが展開。夏場にはテーブルを出して食事会も楽しまれるそうです。そしてなんといってもスキップフロアの魅力が存分に発揮されるのは、半階ほど階段を登って住まい全体が見渡せる、吹き抜けのあるリビング。窓いっぱいに広がった空は大きな開放感をもたらし、空間を自由に使ったY邸ならではの伸びやかな住まいづくりとなっています。また落ち着いた雰囲気を醸す木の床はスモーク処理を施したパイン材を使用し、床暖房を採用。冬場でも素足で歩く心地よさが感じられそうです。そしてご主人のこだわりが見えるのは、2階子ども室に設けた木製の内窓。1点を中心にくるりと回転する窓は、ご主人が考案してイワケンが製作したオリジナルの建具であり、ほかにも床にレールを設けないスマートな吊り戸など、設計士ならではの細かな視点が住まいをすっきりと見せるポイントとなっています。
 「夫の設計した家が私たちの理想の住まいだったので、たくさんのこだわりを実現してくれたイワケンさんに感謝しています」と微笑む奥様。いくつもの階段を楽しげに上り下りする可愛い姉妹の軽やかな足音が、まるで心地よい音楽のように聞こえるY邸でした。