リフォーム施工例
大分市 S邸

玄関や水まわりを移動し、
木造りの大きなLDKを増築

 大分市郊外の歴史ある分譲地に立つS邸。通りから階段を登っていくと、ゆったりした玄関ポーチに迎えられます。玄関を入ると、床から壁、靴箱、収納庫まですべてが木造り。玄関ホールを中心に、右手はバスルームや洗面所などの水まわり、左手は書斎へとつながっています。
 実はこの玄関ホール、以前の住まいでは廊下だった場所。今回の改装で玄関の位置を西から北へ移動し、通りから階段を上がってスムーズに家へ出入り出来るよう大幅に手を加えました。かつての廊下を玄関ホールとして活かしたことで、玄関に立って室内を見ると目の前は一面の壁。その圧迫感は、壁の一部をくり抜いてその先に障子の小窓が見え隠れするという心憎い演出が取り入れられています。
 廊下を抜けて奥へ入ると、大きなLDK。外部に溶け込むようなイメージで造られたという山荘風のリビングは、約20畳の広さがあります。高い天井に大きな梁を出して、パインの腰板をぐるりと巡らせたなんとものびやかな空間です。庭に面した掃き出し窓には内障子を取り入れ、柔らかい自然光が部屋中にあふれています。さらに南と西に開口部を取り、大きさの異なる小窓を連続して配するなどデザイン性にも優れた造りです。
 また、かつて居間と二間続きだった和室は趣のあるお部屋に変身。キッチンからにじり口風の小さなアール壁でつながるこの和室は、茶室をイメージしたもの。障子を配した楕円のくり抜き壁や畳敷きの床の間を備えています。ここは、Sさん夫婦が主寝室として使用しているお部屋。朝になると障子から柔らかい日が入り、心地よい眠りから目覚める日々を過ごされているにちがいありません。
 S邸は、ご夫婦ふたりと高校1年生と中学2年生の息子さんの4人家族。昭和56年に建築された4Kの住まいを、平成5年に中古で購入したそうです。その後、ご主人は8年間、家族とともに過ごしたこの住まいを離れ、単身赴任。5年間の単身生活を終えて家に戻って来ると、お子さんたちは大きく成長し、「部屋が足りない」状態に陥っていました。庭に簡易倉庫を置くことも考えたそうですが、数年前に一度、改装を考えたときに見積もりを依頼したイワケンに連絡。トントン拍子に話がまとまり、大掛かりな改装へと進んで行きました。
 玄関から水まわり、キッチン、リビングまで1階全体を改装・増築し、暮らしながら6カ月かけて改装したS邸はまるで新築のよう。
「イワケンの専務さんが、自分の家を建てるかのように造ってくれました。前からの知り合いですが、こんな匠の技があるとは想像もしませんでした」とおっしゃるご主人は、天然木と大小のアール壁や障子を随所に取り入れた和洋折衷の住まいに満足しているご様子。さらに耐震・断熱性を高めるために、屋根を軽くした上に家全体に補強を施し、断熱材を取り入れて快適な住まいに仕上がっています。
 寝る間際まで、家族揃ってリビングで過ごすという仲の良いSさんご家族。気心の知れた友人たちが“お茶の間サロン”と呼ぶLDKに庭から出入りするS邸は、家族の団らんが楽しいだけでなく、外にも大きく開かれた住まいになりました。